鍵にまつわる話

南京錠はなぜ南京錠なのか

南京錠はなぜ南京錠と呼ばれるようになったのか。南京錠は実に様々な場所で見られます。フェンス、倉庫、宝箱、貯金箱などなど、頑丈なものから簡易的なものまで幅広く使われていますね。鍵は鍵であるがその独特な形は他の鍵とあまり共通せず、U字型の金具に箱のような錠部分と鍵穴があり少し独特な形をしています。

南京錠は巾着錠と呼ばれていたり、高級感のあるものに関してはパドロック・パッドロックとも呼ばれ、持ち運ぶことが出来る錠前として誕生しました。今は特定の形の鍵をそう呼びますが、江戸時代初期では南京豆や南京虫など、外国由来のもの・珍しいもの・小さいものなどをまとめて「南京」と呼んでいました。意味としては外国の珍しい錠であるから南京錠と呼ばれていたのでしょう。

紀元前500年~300年の古代ローマにて南京錠が使われていた証拠があり、古代の中国を中心としたアジアでも旅商人にも南京錠が使われていました。これは古代ローマよりも古い可能性があり、バネと歯を使った紀元850年ごろの南京錠がヴァイキングの住居跡からも見つかっています。アメリカで使われ始めた錬鉄の板で作られた南京錠はセキュリティ手段としては役立たなかった。その後も螺旋状の鍵をつかったものも考案されたが、セキュリティ性はなくなった。19世紀ごろから「スカンジナビア」式の南京錠がアメリカに伝わり大成功を収め、同じ頃「キャスハート」型と呼ばれる耐腐食性の高い南京錠が生まれ、風雨などにも強い事から鉄道で多く採用された。
現在はラミネート型がいまも世界各地で製造されている。